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本格ミステリ・ベスト10第1位の隻眼の少女を読んだが犯人がとんでもない奴だった腹たつ!

以下ネタバレ

犯人のみかげはとんでもない奴だった!!!
なっちゅーやつだ!

犯人が推理していたんだからいいようにみんなが転がされるわけだ。
というかこの話に出てくる物証のほとんどが 犯人の偽装である。

以下まとめ

(1)春菜殺し
犯人の偽装無し
・殴打痕→凶器(鉄扇)
・絞殺→凶器(琴線)
・首の切断→凶器(鉈)
以下の殺人事件で省略

犯人の偽装
・顔に土→日が明ける前に首が落ちた
・首を祠に入れなおす→首が落ちたのがわかった→琴折家の中に犯人

(2)夏菜殺し
犯人の偽装無し
・みかげが推理で血の手形に触れなかった

犯人の偽装
・神棚の横に血の手形→手形の大きさをごまかそうとした→和生が犯人
・襖を開けておく→奥に誰かいた→犯人は雪がやむ前に現場を出た
・ライターで神棚の下を焦がす→犯人は喫煙者
・ライターを使った→懐中電灯が見えなかった→メガネをかけていた

(3)秋菜殺し
犯人の偽装無し
・血の海に引きずった痕がない→山科は秋菜殺しの犯行現場にいなかった

犯人の偽装
・シャベルと鍬がある→犯人はスコップを使えなかった→和生が犯人
・山科を埋める→発見を遅らせるため→山科が殺されたのは秋菜殺しの前→スガルが犯人
・山科のジャケットに血をつける→山科は秋菜の犯行現場に出会っていない

(4)雪菜殺し
犯人の偽装無し
・殺人方法が18年前と同じ

犯人の偽装
・マフラーを外してから絞殺→マフラーを外していた→家で殺された
・時計が逆につけられていた→時計は犯人がつけた→家で殺されてた

(5)月菜殺し
犯人の偽装無し
・犯人は瓦屋根をよじ登った→瓦屋根が新しくできたことを犯人は知らなかった→岩倉かみかげが犯人

犯人の偽装
・古文書にコンタクトレンズ→月菜を殺す時に古文書が床に落ちた→音を聞いていないと嘘をついた和生が犯人・月菜の肋骨が折れている→古文書を棚に戻す時に月菜を踏み台にした→背が低い和生が犯人
・古文書が逆さま→月菜を殺す時に古文書が床に落ちた→音を聞いていないと嘘をついた和生が犯人



後期クイーン的問題でもある「物証が犯人の偽装の可能性を消去できない事」が苦しめますね。
物証が隻眼の糞少女に偽造されまくってます。
この犯人のいやらしいところは、自分が推理するということにかまけて多数の人間に容疑が向くように巧みに証拠をねつ造しているところです。

純粋に推理で犯人に行きつくためのチャンスは秋菜殺しですかね。この時犯人は和生が犯人であることを示唆するためにスコップと鍬を残します。また、スガルに容疑が向くように山科のジャケットに血をつけるということもします。

ここでこの2つの物証から和生が犯人であるという事とスガルが犯人であるという事を導ければ、相反する二つの事実が導き出されている事より、

1.和生とスガルの共犯
2.和生が犯人。スガルへの証拠はねつ造。
3.スガルが犯人。和生への証拠はねつ造。
4.両方の証拠がねつ造。

1.の場合、和生が穴は掘れないのでありえない。
2.の場合、和生が一気に山科と秋菜の死体を処理した事になる。和生が鉈で首を一刀できる力あるか、ライターはどこに行ったのか、などが問題になるか。また、ジャケットに血をつけるというヒントはわかりにくいのではないか。
3.の場合、スガルは和生へ罪をなすりつけるためにシャベルと鍬を置いた事になるが、はっきり言ってこんなヒントでは誰一人気づかないのでは。もっとわかりやすいヒントを置いて誘導するように感じる。よって、この可能性は低いか。
4.の場合、スガルにも、和生にも罪をなすりつけたい節がある。決定的な証拠はないものの、かなりわかりにくい偽装なので探偵役のみかげが抜群に怪しくなってくる感じはする。

といった感じでしょうか。

とにかく推理する側は犯人に与えられた物証から論理的推理を広げ、その中である種の矛盾を導かない限りその証拠が犯人の偽装であるかどうかは見抜けないという事ですね。
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