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新百合ヶ丘にあるアートセンターというところでポランスキー監督の「ゴーストライター」がやっていたので観てきた。やっぱりスクリーンで映画を観るということは大事だなと思った。

で、「ゴーストライター」はミステリー・サスペンスのジャンルで、主人公はイギリス前首相の自叙伝のゴーストライターに選ばれたユアン・マクレガーが前首相に関する陰謀に巻き込まれていくっていう感じで、巻き込まれ型のサスペンスであった。

サスペンスフルな雰囲気だけどユアン・マクレガーが飄々としたキャラクターを演じてて、すごく好感が持てて非常にバランスが良く感じた。ピアース・ブロスナン演じるイギリス前首相もオットコ前なんだけど、不埒な印象がムンムンで面白い!まさか、イギリス前首相は実はMI6の凄腕スパイだったというオチかもしれないと冷や冷やしたがそんなしょーもない期待は裏切れられてよかった!オリヴィア・ウィリアムズもとんがったインテリ女な感じがよかった!

以下、ネタバレです。


で、この「ゴーストライター」の中において見てて一番どこが気持ちいいかっていうと、最後の主人公が書いたメモがルースのスピーチをバックに、パーティに集まった人の間をバケツリレー式に前へ前へと運ばれていくシーンですよ!!

もう、とにかくここですよ!!ここ!!

何かっていうと、巻き込まれ型サスペンスの主人公はほとんどの場合、超人的だったり、ムッキムキだったり、超名探偵だったりなんてことはない訳ないですよね。良くも悪くも一般的な人が主人公になって、不条理な状況、理不尽な謎によって翻弄されるからドキドキしてサスペンスになるんですね。

ミステリーには謎があって、その謎は謎を解いていく主人公サイドを攻撃されたり、束縛されたりするわけですよ。この状況っていうのは非っ常に不愉快で居心地が悪くて、すごく自分の自由を侵害されているような感覚になるわけですね。

ミステリーの醍醐味っていうのは謎によって雁字搦めに固められ自由を抑圧された人が謎を解いて自由になるというところにカタルシスがあると思うのですよ。自由になるということは納得するということですよね。

「ゴーストライター」では主人公のユアン・マクレガーは言わばいじめられっ子で、何やら不吉なゴーストライターを任されて前任のゴーストライターが残した資料を見つけてカビラJばりに「ムムッ!」ってくると。ここで謎によってマクレガーはじわじわいじめられていくんですよ。でも、この主人公には初めはこれといって実害ないんですよ。ただ言われた通りにゴーストライターとして自叙伝書いて、ルースとセックスしてればよかったんです。でも、やっぱり居心地悪い、気持ち悪い訳ですよ、何やら自分の知らない訳、理由があるという状況は。

だから最後のあのシーンはいじめられっ子ユアン・マクレガーがいじめっ子ユースに対するたった一度のカウンターパンチなんでもう見てて本当に気持ちがいい!!ユースが意気揚々としてるスピーチの水面下でマクレガーの爆弾の導火線がゆっくりとユースの元に近付いていっているっていうのがいいんですね~~。また、だからこそラストにマクレガーが車に轢かれて殺されちゃって、原稿が舞うシーンは本当に悲しいとこですね。

巻き込まれ型のミステリ・サスペンスで伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」があるんだけど、それだと主人公は散々理不尽にいじめられるんだけど、いじめる側に対して決定的なカウンターパンチが最後の最後までないんですよね。

後、「マイノリティリポート」でトムちんが最後黒幕に対して、いやらしくネチネチ責めていくところも同様の理由で気持ちいい~ですね。
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