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ネタバレあり!

ミスター・ノーバディって映画は東京だと渋谷と立川でしかやっていなくてかなりもったいないと思う。

あらすじは、未来の世界で人間は科学の力で不死身になる中、人類最後の老衰によって死にそうな老人が自分はどんな人生を歩んで来たか思い出すもの。

ミステリーっぽくもありSFっぽくもあるが最後はかなり爽やかに終わる。

最初にこの映画の気に入らない部分を先に言っておく。それはフランス映画によくあるラブシーンで、まあこの映画に限った事じゃないんだけど毎度のことながら全く楽しめない。なかなか情熱的にアンナとごそごそしてくれてるけど、なんか眠たくなっちゃうぞ。

フランス人って本当にあんなセックスしてるのかな。ニモとアンナが親が出掛けた隙にエッチするシーンとかかなり激しくて、よくある感じだけどダイニングのテーブルの上の物をざざーっと下に落として「ニモはんはもう辛抱たまらんでー!」ってなようにテーブルの上でおっぱじめたりするんだけど、落としたミルクで床べったべたになってないかの方が気になるぞ!


この話は老人がどんな人生を歩んでいていたか必死で思い出してそれを医者や記者に話すんだけど、話す内容が全部違くってどれが本当の人生なのか混乱する。話は「あの時こうしていたら」のバタフライエフェクト形式で進んでいってものすごい数のパラレルな話が展開されるが最後にオチはつく。

その他の全ての演出が小気味よかったり、テンポがよかったりですごい。CGとかもよく出来てたと思う。

見た感じ「9歳の男の子の妄想」だったか「老人は本当に存在し、本当の近未来の話である」の2つかと思う。でも最後のあたりに老人が言う言葉がこの映画にとって本当に大切であって、真相がどっちであれその意味と価値は変わらないと思う。

パラレルな話は9歳の男の子が父と母どちらにつくか、そのどちらが良いか選択するために一瞬に想像したものだけど、結局そのどれにも正解なんかなくてそのために選択を出来ずにいる。で、男の子はどちらでもない、想像もしてない線路の外側に駆け出していく。男の子は木の葉を飛ばし、自分が生まれてこなかった世界を想像し老人のいる未来を消し去る。

でも個人的には老人に本当に存在して欲しいかな。老人はもうボケちゃって自分の人生を覚えてなくて、それを必死で思い出そうとするんだけど結局どれが本当の人生かは分からない。でも老人はそのどの人生にもちゃんと意味はあって、どの人生だろうと無駄じゃなかったと言い切り、自分は幸せだと認識しながら死んでいく。うーん、素敵な終わり方です。

もう一回見たくもあるけどなかなか辛いシーンがあり気軽に見れないかも。
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